旅と歴史の記録帖

家族旅行での実体験をもとに、旅の計画や現地の雰囲気がイメージできる情報をお届けします。

大崎上島を日帰り観光|瀬戸内の静けさを巡る旅記録(1)

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瀬戸内の静けさに癒やされる

広島県の離島・大崎上島を日帰りで巡った旅行記です。橋でつながっていない島ならではの静けさや、フェリー移動の非日常感、島内の風景や見どころを実体験をもとに紹介します。瀬戸内の穏やかな時間を感じたい方に向けた記録です。

広島県には多くの島があり、ほとんどの島は橋でつながっている。橋でつながっていない島の代表として、宮島と大崎上島があげられる。宮島は、超が付くほどの観光地である。一方で大崎上島は、宮島と比較すると有名な観光地は少なく、素朴で穏やかな時間が流れている。そこに魅力を感じ、瀬戸内海の静けさを感じてみたいと訪問することにした。広島市内から車で約1時間で竹原港へ到着し、そこから船で約30分。瀬戸内海に浮かぶ大崎上島は、観光地化されすぎていない落ち着いた島だ。日帰りでも十分に島の魅力を感じられると聞き、ふらりと足を運んでみた。


フェリーで始まる、非日常の時間

東広島市の安芸津港と竹原港から、30分〜1時間間隔でフェリーが出ている。どちらのルートでも大きな差はないが、今回は気になっていた場所があり、竹原港から渡ることにした。

竹原港からフェリーに乗ると、徐々に街の喧騒が遠ざかっていく。穏やかな海、行き交う船、移動そのものがすでに旅の一部だ。

大崎上島に近づくにつれ、自然の景色の中に突如として現れる人工的な風景が目に入る。意外に知られていないが、いわゆる瀬戸内海の軍艦島のような島が右手に見えてくる。ここは小さな島が丸ごと鉛の生産工場となっており、日本最大規模とのこと。関係者以外は立ち入り禁止だ。何度か遠くから見かけて気になっていた場所で、島々の中にぽつんと浮かぶ姿はどこか違和感を感じる。

そうしているうちに白水港に到着。竹原港から約30分ほどの船旅だった。


島内散策と瀬戸内の風景

静かな集落と歴史に触れる

島に着いたら、まずは景色を求めて散策。海沿いを走ると、小さな双子の島が見えてくる。青い海と点在する島々、そして静かな集落。観光客の姿は少なく、観光スポットと呼べる場所も多くはない。聞こえてくるのは風と波の音だけだ。

近隣の島は橋でつながっているが、この大崎上島は船でしか渡ることができない。それが、ゆったりとした島時間を感じさせる。

まず立ち寄ったのは、海と島の歴史資料館大望月邸。ここは廻船問屋だった豪商で、昭和初期に内務大臣を務めた望月圭介の生家を公開した施設だ。

少し走ると、停泊した船の奥に小高い場所に建つ学校のような建物が見える。広島商船高専で、日本に5つある国立の船乗り養成学校のひとつらしい。


神峰山の眺望に島時間を感じる

途中、島で唯一のローソンでサンドイッチを購入し、この日の目的地である神峰山へ向かった。標高453mで、大崎上島で最も高い山だ。港から車で約40分ほどで到着する。

宮島の弥山は有名だが、ここはまさに知る人ぞ知る景勝地。山頂からの眺めは瀬戸内海でも屈指の美しさで、115の島々を見渡すことができる。遠くには四国の山々や、しまなみ海道の橋も見える。

展望台までは駐車場から徒歩15分。途中の遊歩道にはお地蔵さんや薬師堂があり、お参りしながらのんびり散策できる。休日だったが誰にも会うことはなく、静かな時間の中で瀬戸内海のパノラマを満喫した。


日帰りでも心に残る島

帰りのフェリーに乗る頃には、「もう少し滞在したい」と思わせる不思議な魅力に気づく。大崎上島は、何か特別な観光名所があるわけではない。けれど、何もしない贅沢を味わえる島だ。忙しい日常から少し離れたいとき、日帰りでも十分に癒やされる旅先として、ぜひおすすめしたい。

大崎上島へのアクセスは、竹原港から白水港・垂水港以外にも安芸津港から大西港へのフェリーもある。また、川尻からとびしま街道経由で大崎下島まで行き、小長港から明石港へのルートもある。ただし、フェリーの本数が少ないので注意が必要。島にはまだまだ見どころも多く、こちらも近いうちに紹介したい。


まとめ

大崎上島は、派手な観光地ではないからこそ、瀬戸内の静けさや穏やかな時間をじっくり味わえる島だった。フェリーで渡る移動時間も含めて旅の一部となり、日帰りでも十分に非日常を感じられる。忙しい日常から少し離れてリフレッシュしたい人にとって、心に残る旅先になると感じた。


大崎上島を日帰り観光|瀬戸内の静けさを巡る旅記録(2)につづく