阿伏兎観音と尾道ぶらり旅
はじめに
広島から気軽に行ける、海と歴史の町をめぐる日帰り旅。今回は、坂と文学の町 尾道 と、断崖に建つ絶景の観音堂 阿伏兎観音(磐台寺観音堂) を訪ねました。どちらも瀬戸内海の景色と深い歴史を同時に味わえる、広島県屈指の名所です。
瀬戸内の断崖に立つ絶景の観音堂・阿伏兎観音へ
朝6時に広島を出発。広島から国道2号線ひたすら東に走り、松永から県道47号で福山市沼隈町の海岸線へ向かいます。途中、道の駅アリストぬまくまに8時半に着き休憩しました。ここから、阿伏兎観音までは15分ほどです。少し走ると視界が開け、内海大橋が遠くに見えます。内海大橋は、全長832mの2連のアーチ橋です。やや曇ってきれいに撮影できませんでしたが、晴れた日はとてもきれいです。ちなみに料金は無料です。


9時前に阿伏兎観音に到着しました。正式には磐台寺観音堂といい、国の重要文化財に指定されています。本堂横の受付から少し歩くと、断崖絶壁の上にせり出すように建つその姿は、まさに圧巻。まるで海の上に浮かんでいるかのように見えます。急な石段を上り、お堂に入ると、眼下には打ち寄せる波。風と波の音だけが響き、自然と心が静まります。欄干越しに見る瀬戸内の景色は、ここでしか味わえない特別なものです。朝早いこともあり、ほかに参拝者もなく、静かに拝観することができました。
しかし、お堂の周りに1m幅の木造の回廊があるのですが、少し海側に傾いているのと、まわりの欄干の高さが60cm程、また木造で歩くとギシギシと音を立て、高所恐怖症の私には、恐ろしい体験でした。


この観音堂は、古くから航海安全・子授け・安産の祈願所として信仰を集めてきました。瀬戸内海を行き交う船人たちが、ここから海の無事を祈ったと伝えられています。
建物の造りも見事で、柱や梁の古色、木組みの美しさに長い歴史を感じます。江戸時代初期の建立とされ、400年近くこの場所で海を見守ってきました。また、野良猫が何匹かくつろいで寝ていました。


文学と坂と海の町・尾道を歩く
鞆の浦までここから15分ほどですが、今回は、久しぶりに尾道をゆっくり堪能したいと思い、来た道を折り返し尾道に向かいました。尾道に到着してまず感じるのは、いつ来ても、どこか懐かしい空気を感じます。駅前に広がる尾道水道、その向こうに向島。穏やかな海と行き交う渡船が、この町の時間の流れをゆったりと感じさせてくれます。


山の斜面に張り付くように家々が並び、細い路地と石段が迷路のように続く景観は、他ではなかなか見られません。映画や文学の舞台になってきた理由が、歩いているだけでよく分かります。
観光客が多いのか、駅周辺の駐車場は、ほぼ満車で、仕方なく、千光寺公園まで上がり駐車。 千光寺公園 へ上がると、尾道水道を一望する大パノラマ。瀬戸内の多島美は、まさに絶景です。公園内にある 千光寺 は、806年開基と伝わる古刹。朱塗りの本堂と奇岩「玉の岩」が印象的で、古くから信仰を集めてきました。
山頂からは「文学のこみち」を通ってゆっくり下ります。尾道ゆかりの作家たちの詩や言葉が刻まれた石碑が並び、散策に深みを与えてくれます。
途中にある 天寧寺 三重塔 は、尾道を象徴する風景の一つ。三重塔越しに見える尾道水道は、思わず足を止めて見入ってしまう美しさです。

石段を下り、古い町並みを抜けると、商店街へ。レトロな雰囲気の店が並び、歩くだけでも楽しい時間が流れます。


今まで、尾道に来てもメジャーなスポットばかりの訪問でしたが、今回は。さりげない街の風景を堪能したく、裏路地や階段の石畳をみて周りました。この雰囲気を体験できるのは、尾道と呉の街だと思います。


海と歴史に包まれる、心ほどける日帰り旅
尾道の坂道散策と、阿伏兎観音の絶景参拝。どちらも「瀬戸内らしさ」を存分に感じられる場所でした。同じ瀬戸内海でも、表情はまったく異なります。それを一日で体験できるのが、このルートの魅力です。
最後に
広島市内から無理なく行ける距離でありながら、しっかりと旅気分を味わえる充実の一日。車での移動が便利ですが、尾道までは電車旅もおすすめです。日常から少し離れて、歴史と絶景に癒やされる。そんなぶらり旅に、尾道と阿伏兎観音はぴったりの目的地でした。
尾道は、市内に大きな駐車場がありませんが、千光寺公園の駐車場は、比較的大きく、空いていますので、山の上に車を止めるのがおすすめです。また、はじめて訪問の方は、渡船で向島に渡り向島から尾道の街をみるのもおすすめです。