広島から日帰りで訪ねた禅の古刹 佛通寺
はじめに
広島市内から車で約1時間半、三原市の山あいに佇む禅宗の古刹佛通寺を日帰りで訪ねました。紅葉の名所として知られる寺でしたが、鎌倉時代に端を発する長い歴史を持ち、中国地方の禅文化を語るうえで欠かせない存在でもあると知っていました。歴史と自然、そして静寂を体感できる場所だと思い、訪問しました。
山あいへ向かう道のり
今回は、国道2号線で本郷まで行き佛通寺入口交差点から県道50号で北に10分ほど走り、途中から佛通寺線に入り5分ほどで到着。道を進むにつれて民家が減り、杉木立の道へと変わりました。案内板に従って進み、駐車場に車を停めました。佛通寺川のせせらぎを聞きながら歩き始めました。澄んだ空気と鳥の声、木漏れ日が印象的でした。別世界に入ったように感じました。
創建の歴史と禅の広がり
佛通寺は1397年に創建されました。備後の守護大名であった小早川春平が、中国から渡来した禅僧愚中周及を開山に迎えて建立しました。佛通寺は中国地方における臨済宗の中心道場として発展しました。最盛期には、山中の塔中88カ寺、西日本の末寺約3千カ寺を超えましたが、応仁の乱後荒廃に向かい、統治、権力者の変遷で当時の面影を失いました。しかし、明治期入り挽回し、天龍寺から独立し、臨済宗佛通寺派の大本山となりました。
参道と山門がつくる静寂
駐車場から川沿いに参道を進み、およそ100mほどで巨蠎橋に着きます。佛通寺川に架かる屋根付きの木造橋の”巨蠎橋”(きょもうきょう)を渡り山門をくぐると、深い森に包まれた境内が広がっていました。華美な装飾は見られませんでした。質素で荘厳な佇まいでした。境内には、仏殿、禅堂、開山堂、地蔵堂など多くの堂が立ち並んでいます。羅漢庭には、多くの石造りの羅漢像が並び、なかには、最近建てられたのか、かわいいお地蔵さんも並んでいました。


四季が彩る山寺の景観
紅葉でたいへん有名でしたが、新緑や冬の静寂も魅力的な場所です。周囲の原生林が、寺の景観を四季ごとに変えます。臨済宗の禅寺ならではの静けさは、自然の中に溶け込んでいました。
佛通寺は備後地方の精神文化の中心でした。多くの僧がここで修行し、禅が各地へ広がっていきました。地域に与えた影響の大きさを感じました。

佛通寺川の西側に本堂などの多くの施設がありますが、東側にも多くの施設が建てられています。輪蔵(経蔵)の横から石段が続き、石段の上には、多宝塔、地蔵堂そして開山堂があります。石段を上る途中、大きな杉の木がそびえ立っています。多宝塔は、緑の中に朱色がひと際美しくみえます。また、多宝塔の周りには、石仏が佇んでいます。



帰り道、杉木立の参道を歩きながら考えました。深い山と清らかな水、外界から隔絶された環境は禅の修行に適していると感じました。
最後に
広島から少し足を延ばすだけで、深い歴史と静寂に包まれた時間を過ごすことができました。佛通寺は禅の精神と自然が調和した寺院でした。日帰りでも十分に訪れることができ、心を整える貴重な体験になりました。紅葉の時期は、大変込みあいますが、それ以外の時期は、観光客も少なく、静かに非日常を感じることができます。
アクセス情報(公共交通機関・車)
バス
JR三原駅より仏通寺行きバスにておよそ40分。
JR本郷駅より仏通寺行きバスにておよそ30分。
バスは本数が少ないのでご注意下さい。
詳細は芸陽バスのホームページなどをご確認下さい。
自家用車
山陽自動車道三原久井インターよりおよそ20分。
山陽自動車道本郷インターよりおよそ30分。
駐車場は、参道の100m南にあります。車での訪問が便利です。