旅と歴史の記録帖

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三滝駅から歩いてのんびり参拝  静寂に包まれる三滝寺散策記

 

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三滝駅から歩いてのんびり参拝

はじめに

広島市内にありながら、深い山あいに分け入ったような静けさを味わえる場所があります。西区三滝山の中腹にたたずむ 三滝寺 です。古くから修験の道場として知られ、豊な自然と歴史が溶け合う名刹です。今回は可部線の 三滝駅 から歩いて、のんびりと参拝しました。

三滝駅から三滝寺へ

朝、8時半に三滝駅を降りると、すぐに住宅地の静かな道へと入ります。案内板に従って歩いていくと、15分ほどで次第に周囲の緑が濃くなっていきました。桜の花も前日の大雨でかなり散り、少し残念ですが、道の先に山の気配を感じ始めるころ、街の喧騒はすっかり遠のいていました。やがて、渓流の音が耳に届き始めました。清らかな水の流れに沿うように参道が続き、ここからすでに三滝寺の世界が始まっているように感じました。

三つの滝と修験の歴史

三滝寺という名は、境内にある三つの滝に由来しています。かつて修験者たちはこの滝に打たれ、心身を清めて修行を行っていました。現在も滝の流れは変わらず、岩肌を伝う水の音が参拝者を迎えてくれます。

この寺は809年、弘法大師空海によって開かれたと伝わります。平安時代から続く歴史の中で、多くの修験者や参拝者がこの山を訪れてきました。その長い時間の積み重ねが、境内の空気をいっそう深くしているように感じました。

石段と苔の参道

駐車場から参道を少し歩くと、多くの石仏と小川のせせらぎが聞こえてきました。しっとりと湿り気を帯びた石、両脇を覆う木々でさらに静けさを感じさせます。その一つ一つが美しく、思わず足を止めて眺めてしまいました。

駐車場からの石段と案内図

石段は決して急ではありませんが、ゆっくりと登ることで自然の音や匂いを感じることができました。

多宝塔と広島との縁

参道を少し上がると右手に、ひときわ目を引く朱色の多宝塔があります。この多宝塔は、かつて広島市中心部にあった浅野家ゆかりの建物を移築したものと伝わります。原爆投下後、慰霊の意味も込めてこの地に移されたといわれています。

多宝塔

広島の歴史とも深く結びついていることを知り、単なる山寺ではない重みを感じました。季節外れの紅葉もあり、たいへんキレイでした。ここの紅葉は、この時期と秋の2度、色付くそうです。

多宝塔と季節外れの紅葉

 

自然と石仏に包まれる境内散策

境内をゆっくり歩いていると、被爆建物の鐘堂があり、参道を一番上にある本堂へ進みました。至る所に小さなお堂や石仏が点在していました。それらを一つ一つ眺めながら歩くだけで、心が穏やかになっていきました。龍神堂は、修復中で、見学できませんでしたが、横たわる珍しい十六羅漢像や、岩面を直接掘った像などで参道は、囲まれていました。

梵音の滝と補陀落の庭

茶堂を少し上ると、高さ約27mの梵音の滝とその下に、この水を貯めた池がある、美しい補陀落の庭があります。境内は、小さな川が参道沿いに流れていますが、昨日の雨で、水量も多く、三滝寺の中で一番大きなこの滝は、荘厳でした。

梵音の滝と補陀落の庭

本堂周辺の静寂と幽明の滝

石段を登り切ると、本堂が現れました。質素ながらも風格のある佇まいで、長い年月を耐えてきたことが伝わってきました。周囲には余計な音がなく、ただ静寂が広がっていました。仁王像と不動明王像、金剛力士像の4体が本堂の中に安置されていました。

本堂

参拝を済ませ、しばらくその場に立っていると、時間の流れがゆっくりになったように感じました。観光地の寺院とは違い、ここには「見せる」ための華やかさはありません。しかし、それがかえって三滝寺の魅力になっていました。本堂を少し上ったところには、約13.5mの幽明の滝がありました。

幽明の滝とコケにおおわれた石仏

駒ヶ滝と古い石仏

帰りは来た道をゆっくりと下りました。上りでは気づかなかった景色にも目が向きました。鐘堂をすこし逸れたところにも多くの古い石仏や、約13.5mの駒ヶ滝がありました。お寺の方とすこし話していると、時間もたち、おおくの西洋の方々が登ってこられました。しかし、静寂は保たれていました。

 

おわりに

三滝駅から歩いて訪れた三滝寺の散策は、想像以上に心が満たされる時間でした。特別な準備もいらず、電車を降りてそのまま自然と歴史の中へ入っていける手軽さも魅力でした。

広島市内で、静かに自然と向き合いたいとき、ゆっくりと歩きながら心を整えたいとき、三滝寺は最適な場所でした。派手さはありませんが、訪れた人だけが感じられる深い魅力がありました。

のんびりとした時間を過ごしたい方は、朝一番が静かでおすすめです。