津和野城跡へリフトで登る歴史散策旅(3)
はじめに
津和野町は、「山陰の小京都」と呼ばれる美しい城下町です。その町並みを見下ろす霊亀山の山頂には、かつて山陰屈指の堅固な山城として知られた津和野城跡があります。
現在は天守などの建物は残っていませんが、壮大な石垣や曲輪が良好な状態で保存されており、日本有数の山城遺跡として高く評価されています。今回はリフトを利用して津和野城跡へ登り、歴史と絶景を楽しみながら散策した様子をご紹介します。
津和野城とは
津和野城は鎌倉時代後期の1295年、吉見頼行によって築かれたと伝えられています。
築城場所として選ばれた霊亀山は標高約367メートル。山頂からは津和野盆地を一望できる天然の要害でした。当時の山城は敵の侵入を防ぐため、険しい山の上に築かれることが一般的でしたが、津和野城もその典型的な例です。

その後、約300年にわたり吉見氏が城主を務めます。戦国時代には毛利氏との関係を深めながら勢力を維持しました。
関ヶ原の戦いの後に毛利氏に従った吉見氏は去り、坂崎直盛が3万石で入城したが断絶し、1617年に亀井氏が4万3千石で入城します。以後、明治維新まで約250年間にわたり津和野藩の中心として機能しました。


現在見られる石垣の多くは、江戸時代初期に大改修された際のものといわれています。
通常は、城下町で政務を行い、その遺構もあります。



津和野城観光はリフトがおすすめ
津和野の街から少し外れたやや高台にリフト乗り場があり、10台ほどの無料駐車場があります。津和野城跡を訪れる際、多くの観光客が利用するのが津和野城観光リフトです。


山城というと長時間の登山を想像しますが、リフトを利用すれば気軽に10分ほどで、山腹まで登ることができます。
一人乗りのリフトに揺られながら山の斜面をゆっくり上昇していく時間は、まるで空中散歩のようですが、途中からかなり急こう配になります。
リフトが進むにつれて眼下に津和野の町並みが広がり、これから訪れる山城への期待感が高まります。
リフトを降りて天守方面へ
リフト終点から城跡までは徒歩で向かいます。天守まで20分ほどですが、現在、石垣の修復工事をおこなっていて、足場が組まれているので、やや遠回りになります。
山道は比較的整備されており、森林浴を楽しみながら歩くことができます。
途中には案内板も設置されているため、歴史を学びながら散策できるのも魅力です。
5分ほど歩くと、吉見氏時代の古い堀切跡なども見ることが出来ます。

さらに5分ほどで、出丸跡に着きます。ここは、本丸とは独立した曲輪で防御監視の役割を担っていました。


木々の間を進んでいくと、石垣改修工事の足場がありそこを通り天守に向かいます。やがて巨大な石垣が姿を現します。


この瞬間、多くの人が「山の上にこんな大規模な城があったのか」と驚かされることでしょう。石垣は今も力強く残り、往時の威容を感じさせます。


山城でありながら近世城郭の要素を取り入れた津和野城は、まさに中世と近世が融合した貴重な遺構なのです。
天守台から望む絶景
津和野城跡最大の見どころは天守台周辺です。


現在建物は失われていますが、石垣の上に立つと津和野盆地が一望できます。
眼下には津和野の町並みが広がり、赤い瓦屋根の家々や田園風景が見渡せます。


戦国時代の武将たちも、この場所から領地の様子を見守っていたのでしょう
近年では「天空の城」と呼ばれることもあり、雲海が発生する季節には幻想的な風景が見られることでも知られています。



石垣から感じる職人技
津和野城跡の魅力は石垣にもあります。今回は、石垣の改修工事で石垣の下から見学できませんでしたが、山頂付近にこれほど大規模な石垣を築くためには、多くの人員と高度な土木技術が必要だと改めて感じました。
重い石材を山上まで運び上げ、精巧に積み上げる作業は想像以上の大工事だったはずです。現地で石垣を間近に見ると、その規模の大きさに圧倒されます。
特に本丸周辺の石垣は保存状態が良く、江戸時代初期の築城技術を現在に伝えています。


城好きの方はもちろん、歴史に詳しくない方でも十分楽しめる見どころです。
津和野の城下町と合わせて楽しみたい
津和野城跡を訪れた後は、ぜひ城下町散策も楽しみたいところです。
殿町通りには白壁や掘割が残り、往時の城下町の雰囲気を感じることができます。
藩校養老館や家老多胡家の表門もあります。
山城を訪ねた後に城下町を歩けば、津和野という町が城とともに発展してきた歴史をより深く理解できるでしょう。
最後に
津和野城跡は、鎌倉時代から江戸時代にかけての長い歴史を今に伝える貴重な文化遺産です。中世の山城の遺構から江戸時代の遺構まで見ることが出来ます。
リフトを利用すれば比較的気軽に訪れることができ、山城ならではの石垣や絶景を楽しめます。
また、眼下に広がる津和野の町並みを眺めながら歴史に思いを馳せる時間は、日常では味わえない特別な体験となるでしょう。
津和野観光を計画されている方は、城下町散策だけでなく、ぜひ津和野城跡にも足を運んでみてください。リフトで登った先には、700年以上の歴史と壮大な景色が待っています。
アクセス
津和野城リフト 営業時間9:00~16:30(12月1日~2月末の平日運休)
料金 往復 700円
無料駐車場 10台程度
百名城スタンプは、リフト乗り場にあります。