広島電鉄の路線を巡る ― 各路線の特徴と魅力を紹介
はじめに
広島市民の足として親しまれている広島電鉄(広電)は、日本最大級の路面電車ネットワークを持つ鉄道会社です。市内中心部から郊外までを結び、通勤・通学だけでなく観光客にも欠かせない交通機関となっています。
広電の魅力は、移動手段だけではなく、街の風景や歴史を感じながら移動できることにあります。原爆投下からの復興を支えた歴史を持ち、現在も広島の発展とともに走り続けています。
今回は広島電鉄の各路線の特徴や見どころを紹介します。
広島電鉄の概要
広島電鉄は1912年に開業した歴史ある鉄道会社です。
路面電車の営業距離は約35キロメートルに及び、日本有数の規模を誇ります。市内線と宮島線、そして新たにできた循環線を合わせて計8つのの系統が運行されており、広島市中心部全般と西部の宮島地域を結ぶ重要な役割を担っています。
1日の利用者数は、15万4000人(宮島線を含む)、市内路面電車だけで10万6000人です。
駅別での利用者数が多い駅は、広島駅23,000人、紙屋町西駅13,150人、広電西広島(己斐)駅9,020人です。

1号線(宇品線)
広島駅から紙屋町を経由し広島港(宇品)方面へ向かう路線です。
繁華街の八丁堀、紙屋町を通り、途中には市役所前や県病院前など公共施設が多く立地し、通勤や通院利用も多く見られます。
終点の広島港は瀬戸内海の玄関口として知られ、江田島や松山方面へのフェリーが発着しています。


海が近づくにつれて開放感のある風景へ変化していくのも宇品線の魅力です。
かつて宇品港は軍港としても重要な役割を果たしており、歴史を感じながら乗車できる路線でもあります。
2025年8月から朝2本(広島駅7:32、7:51発)快速便が運行されています。
2号線(本線)
2号線は、広島駅から広電西広島(己斐)までを結ぶ広電の中心路線です。
広島駅を出て、八丁堀、紙屋町を経由し、広島市の西の玄関口の西広島駅に向かいます。


沿線にはオフィス街や商業施設が集中しており、利用者数も非常に多い路線です。
広島駅から市中心部へ向かう観光客が最初に利用する路線でもあり、広島らしい街並みを車窓から楽しむことができます。
近年は広島駅新駅ビルへの乗り入れ工事も進み、広電の新しい時代を象徴する路線となっています。
3号線
西広島(己斐)から広電本社前を結ぶ路線です。
JR西広島から紙屋町、市役所のオフィス街を走り重要な役割を果たしています。
5号線
広島駅から真っすぐに広島港(宇品港)に向かう路線です。比治山公園の下を走り約30分で結びます。(1号線より15分短縮)

6号線(江波線)
広島駅から紙屋町を経由して江波を結ぶ路線です。
広島市西部の住宅地を支える重要な路線となっています。
途中の舟入地区は戦前から発展した地域で、病院や学校が多く立地しています。
終点の江波周辺には造船関連施設や工場があり、広島の産業を支える地域として発展してきました

江波車庫も設置されており、多くの車両を見ることができるため鉄道ファンにも人気があります。

7号線
横川駅から紙屋町を経由して広島港(宇品港)を結ぶ路線です。
横川駅は、JR可部線の乗り換え駅で広島市内北部からの利用者が多い駅です。

8号線
横川駅から舟入、江波方面を結ぶ路線です。
9号線(白島線)
八丁堀と白島を結ぶ短い路線です。
広電の中でも最もコンパクトな路線の一つで、所要時間は約10分程度です。
沿線には住宅地やオフィス街が広がり、通勤利用が中心となっています。
短い路線ながら朝夕は利用者が多く、市民生活を支える重要な役割を担っています。
循環線
今回の駅前大橋を通るルートが出来て、新しく開通した路線です。広電本社前-的場ー広電本社前を約45分で循環する路線です。25分間隔で運行しています。
使用車両が、被爆電車や古い車両を中心に運行されています。
宮島線
広電西広島から宮島口までを結ぶ広電最大の郊外路線です。広島駅から西広島(己斐)まで市内路面電車として走行し、西広島(己斐)から宮島口まで、専用軌道線を走行します。
市内線とは異なり専用軌道区間は、鉄道に近い運行形態となっています。
最高速度も60kmと高く、路面電車というより郊外電車の雰囲気を味わえます。
沿線には商工センター地区や住宅地が広がり、通勤通学路線として重要な役割を果たしています。

終点の宮島口からはフェリーで世界遺産の 厳島神社 がある宮島へ渡ることができます。
特に海沿いを走る区間では瀬戸内海の景色が広がり、多くの観光客を魅了しています。

広島電鉄ならではの魅力
広島電鉄の特徴は、多種多様な車両が活躍していることです。
昭和時代に製造されたレトロ電車から最新の超低床車両まで、さまざまな形式を見ることができます。
また、他都市から譲渡された車両も多く、「電車の博物館」と呼ばれることもあります。
さらに原爆被災電車が現在も保存・運行されており、広島の歴史を今に伝えています。
電車に乗るだけで、広島の街の成り立ちや復興の歩みを感じられるのは広電ならではの魅力です

土橋から観音町間は、狭い道を走行し、途中の小網町駅は、道路にイエローのラインで安全地帯(駅)があったり、天満町駅、観音町駅は、駅幅60cmほどです。また、小網町と天満町の間に架かる天満橋は、市内線で唯一の鉄道専用橋です



最後に
広島電鉄は、住民にとっては足として大変貴重な交通機関です。
しかし、身近過ぎてその魅力を忘れています。
観光で訪れた方はもちろん、地元に住む人も改めて広電に乗ることで新たな発見があるかもしれません。
路面電車の車窓から見える街並みや人々の暮らしを楽しみながら、広島電鉄の各路線をゆっくり巡ってみてはいかがでしょうか。